兵庫県看護協会 認定看護師教育課程
認知症看護認定看護師 板橋 薫

4月11日から3泊4日で、災害支援看護師として石巻に派遣されました。震災直後より、「認知症がある人は、どうして過ごされているのだろう」と思っていました。避難所である石巻中学校の救護所を拠点に、近隣の小学校、中学校の体育館や教室などを医師や薬剤師とともに巡回しました。震災後1カ月も経過していたためか、急激な環境の変化や、今の状況を理解することが困難な認知症がある人は見受けられませんでした。すでに他の所に移られたのか、巡回の短い時間ではわからなかったのではないかと考えます。教室で誰が生活しているのかわかるように名前が張り出してあったり、トイレの前には、大きく表示がしてあったり、誰にでもわかるように工夫されていることだと思いますが、軽度の認知症がある人にも、手助けとなるものとなっていました。情報が多いと、混乱の原因となりますが、視覚に訴える表示は有効であると考えられます。
避難所の校庭では、野球部が練習をしていて、部員の声が響き、以前と変わらないであろう日常がありました。そして避難所から帰る車中からみた真っ赤な大きな夕日と、空高く輝いていた月が印象的でした。